Vol.95【トラックドライバーの労働時間について】

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  川相いい仕事マガジン vol.95
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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   川相マガジン   e4510情報 (いい仕事情報)
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    トラックドライバーの労働時間について
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いつもメルマガをご愛読いただき、どうもありがとうございます。
労務管理事務所フォージョウハーフ 社会保険労務士の日比野です。

今、高速道路のパーキングエリアにこのようなチラシが貼られいます。
http://wpb.shueisha.co.jp/2017/05/15/84728/images/0

弁護士事務所のチラシで、
トラックドライバーに未払い残業代の請求を依頼しませんかというチラシです。

もともと運送業界は、かなり問題のある業界だと思います。

そこへ通販業が活性化したことにより、
長時間労働、過重労働に拍車をかけている現実があるようです。

しかし、この未払残業代の請求ビジネス、
ここまで来たか?そんな感じがしています。

弁護士事務所が、チラシを出すということは、ドライバーが訴えれば、
会社からお金を取れる可能性が大きいということでしょう。

今回は、トラックドライバーの労働時間について考えてみます。

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┃トラック業界は、これまでは大目に見られてきた業界?
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通常、労働時間とはタイムカードの打刻から打刻までを労働時間とし、
休憩時間も、かかってきた電話に出るなどの用務がある場合には
休憩時間とされず、それは労働時間としてカウントされる。

労使紛争が増えている昨今は、この辺りの解釈が厳密になってきています。

しかしながら、そのような厳密な労働時間の解釈をした場合には、
業種として成立が難しく感じられるものもあります。

例えば、新聞配達業、美容業などは、労働時間の解釈を厳密にすると、
非常に企業運営が困難になるところも増えてくるでしょう。

もっと言えば、プロ野球選手、お相撲さんなんかも、
厳密に解釈すれば、労働者として、労働基準法が適用になるかもしれません。

そういう業種は、誤解を恐れずに言うのであれば、
行政はこれまで、見て見ぬ振りをしてきた。

ただ、あまりに酷い会社で、かつ、そこの従業員が訴えてきたときには、
行政もそれに対応し、指導してきたというのが、
これまでの経緯のように思います。

トラックドライバー、運送業もそのような業種の一つと言えると思います。

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┃独特の労働時間の取り扱い 荷待ち時間
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トラック業界は、独特の労働時間の適用があります。
中でも独特なのは、休憩時間の取り扱いです。

トラックドライバーは、運転する時間以外に、
荷物が用意されるのを待つ時間(いわゆる荷待ち時間)があります。

この荷待ち時間、他の業界に対する休憩時間の取り扱いからすると、
ずいぶん甘めに見られて、労働時間ではないと解釈されてきました。
(この判断基準は後述)

その代わり、その荷待ち時間を含めた拘束時間を行政通達によって、
把握を義務付けられ、その時間の長さに制限をかけられてきました。

言い換えれば、1日8時間 週40時間という制約以外に、
拘束時間という制約がなされています。

具体的には、

1日の拘束時間の限度は、原則13時間、最大でも16時間とされます。
また1日15時間を超えられるのは週に2回までと制限されます。

今回、ポイントとなるのは荷待ち時間です。
この時間が労働時間とカウントされたときは、
ものすごく未払い残業代が発生します。

では、どのような荷待ちは労働時間ではなく、
どんなものが労働時間となるのでしょうか?

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┃荷待ち時間の判断基準
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昭和33・10・11基収6286号の通達には、こう書かれます。

「トラック運転者に貨物の積み込みを行わせることとし、その貨物が持ち込まれる
のを待機している場合(一般に手待ち時間という)において、全く労働の提供はなく
とも出勤を命ぜられ、一定の場所に拘束されている時間は労働時間と解すべき」

別の通達、昭和39・10・6基収6051号の通達では

「貨物の到着の発着時刻が指定されている場合、トラック運転者がその貨物を待つ
ために勤務時間中に労働から解放される手あき時間が生ずるため、その時間中に
休憩時間を1時間設けている場合にあって、当該時間について労働者が自由に
利用できる時間」は、休憩時間として良いとなっています。

それらの通達から、以下の4条件が、労働時間となるか否かの判断基準とされます。

(1)駐車して車両から離れることができる
(2)車両(または貨物)の監視義務を課していない
(3)休憩時間を自由に利用できる
  (その場合でも構内にいるようにと指示することは可)
(4)次の作業時刻が決まっている(それまでの時間は全く自由)

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┃トラックドライバーは男の子の憧れ
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トラックドライバーは、トラックが好きだから乗っている、
そういう人が多いように思います。

これは他の業種と比して、独特なところの一つだと感じます。

これは美容業もそうですし、先ほどのプロ野球選手、相撲取りも、
子供の頃からの夢であった職業についた人たちが多いように思います。

またこれらの業種は、海外から見たときに、
日本人が賞賛される仕事であったりします。

例えば、日本のごく普通の美容師が、海外へ行くと、
その技術の高さに驚かれるそうです。

プロ野球にしても、体躯に劣る日本人がメジャーリーグで活躍する様子は、
アメージングだと言われます。

実は、こういう職業が労働基準法が当てはまりにくい。

労働法制の適用が真に幸せにつながれば良いなと思います。
そして、それで大事なものが失われなければ良いなと思います。

トラック業界は問題が多いと思います。
そして、またトラック野郎は、
日本が誇るべき男の子と憧れの職業だと感じています。

 

  労務管理事務所 フォージョウハーフ
  人事労務コンサルタント 日比野 大輔
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