Vol.82【規律を守らない社員をどう考える?】

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  川相いい仕事マガジン vol.82
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
 労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
 社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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    規律を守らない社員をどう考える?
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いつもメルマガをご愛読いただき、
どうもありがとうございます。

労務管理事務所フォージョウハーフで
コンサルティングをさせていただいている野波と申します。

すっかり気温も上がり、日差しも暖かくなってまいりました。

新年度、新しい風が吹き、環境が変わった方も、
その環境に慣れてきた頃かと思います。

新しい風、新しい環境は新鮮さがありますよね。

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┃なぜ規律があるのか。それを守る意義は?
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「規律」と聞くと、無意識に守らなければならないものと認識します。
それでは、何のために規律を守るのでしょうか。

「なぜ規律があるの」という質問に
「社会の常識だから」と答えて、相手は納得するでしょうか。

時代の変遷と共に、価値観は多様化し常識という単語の定義も
あいまいになっている昨今、規律を守る意義というものを
再考する必要があるのではないかと思います。

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┃頭ごなしは反発を招く
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ある飲食店の爪を長く伸ばしている従業員に
「爪を切れ、常識で考えろ」と指摘したとしたら、どうなるでしょうか。
恐らく反発を招くでしょう。

北風と太陽の物語のように、力で相手をコントロールしようとしても、
相手はそれに抗おうとします。

太陽のように自主的な行動を促した方が、
実は上手くいく、なんていうことも多々あるでしょう。

先程の従業員を例にしても、「爪を切らないと誰かにけがをさせたり、
自分がけがをしたりするよ」と、ルールの存在の理由(根本)を説明し、
行動を促した方が、相手も納得して行動できると思います。

誰も、入社当時から反発しようと思っているわけではありません。
彼らには「ルールを守る」ことの本当の意味が見えていないことが多いのです。

ルールでがんじがらめになると、「規則は破るためにある」と
反抗心をあおる可能性もありますし、ある程度の柔らかさがあった方が、
かえって責任感が働くという可能性もあります。

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┃理解と共有、そして納得
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組織の中には老若男女、様々な世代、出身、経歴を持っている方がいます。
似たような人がいたとしても、完全に同じという人はいません。

先にも述べたように、物事の価値観や判断基準は時代の変遷と共に
多様化してきています。

「社会の常識だから」という理由では、
もはや通用しなくなってきているのです。

人間は『自分の意志で選択・行動したい』と思うもの。
「規律・常識」によって行動を抑圧しても、他者からやらされているように感じ、
反抗心を抱いたり、やる気が下がったりしてしまいます。

今、行動に問題がある社員がいる場合、「非常識」として扱うのではなく、
なぜその行為が問題なのか、ということの根本を考えてもらうことが
必要かと思います。

また、入社の際に、規律を提示するだけでなく、なぜこの規律が必要なのか
という根本を説明することも理解共有に役立つでしょう。

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┃変わっていく規律
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規律の存在意義は秩序を守り、道徳性を高めることであり、
行動を制限し、服従させることが目的なのではありません。

したがって、絶対的なものではありません。
規律は人が作りだしたものである以上、完璧なものではありません。

その上、時の流れや人の入れ替わり、状況と共に変化していきますので、
変更や改正が必要です。

規律がおかしいと主張する人がいるのなら、何度でも話し合い、
語り合って規律から逸れている人と共に集団の価値観を高めていくと、
より良い風土が出来ていくような気がします。

貴社の服務規律について、その根本を説明する機会、
考える機会を持ってみてはいかがでしょうか。

 労務管理事務所 フォージョウハーフ
 労務コンサルタント 野波
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