Vol.51【「メンター制度」の活用】

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  川相いい仕事マガジン vol.51
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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【知って得する雑学クイズ!】の答えは一番下↓↓

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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
 労務管理事務所フォージョウハーフの社労士、小西繁雄がおくる
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    今改めて注目される「メンター制度」とは?
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会社で悩みを相談できる人がいるかどうかは、会社でうまく働いていけるか
どうかに大きな影響を与えると思います。

この相談相手・支援者のことを「メンター」と呼びますが、特に新入社員の育成
について、このメンターを活用した制度が改めて注目されています。

メンター制度とは、上司とは別に、相談相手となる先輩社員が新入社員を
サポートする制度のことです。

近年、企業や従業員を取り巻く環境が激変し、また終身雇用や年功序列と
いった制度が崩壊していく中で、多くの社員が自分自身のことで精一杯になり、
組織内での人と人とのつながりも希薄になってきています。

そんな中、人と人とのつながりの大切さが改めて認識され、メンター制度が
注目されるようになっているのです。

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┃どんなメリットがあるのでしょうか?
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新入社員は、自分を評価する上司に対しては、なかなか本音では相談しづらい
ものですが、上司とは別の相談相手ができることで、仕事における不安や悩みを
本音で相談しやすくなります。

また、業務に必要なスキルや技術についても、上司には遠慮して聞きにくい
ことでも、年の近いメンターになら遠慮なく質問等ができますので、
うまく会社に馴染んでいくことができます。

そして、メンター制度は、実は指導・育成にあたる先輩社員にとっても、
マネジメントの技術を身につけるための場となる有用な制度なのです。

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┃運用には難しさも・・・
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ただ、「メンター制度」の運用には難しさもあります。

一つは、「相談する側の新入社員の問題意識が明確でないと、
単なる悩み相談で終わってしまう」といった声があがったりすることです。

こんな場合は、メンターの側が新入社員に対して、仕事への取り組み方の
悩みなのか、スキル向上の話なのか、人間関係の問題なのか、

といった点を整理してあげて、こんなふうにしてみてはどうかと、
いくつか選択肢を提示してあげるといいのではないでしょうか。

そうすれば、問題点が整理されて、スッキリして、仕事に取り組み易くなるでしょう。
もう一つの問題は、メンター自身が会社の人材育成について方針を
しっかり理解していなかったり、そもそも会社に人材育成の方針が
確立されていないという場合です。

新入社員の方は、みんな期待を膨らませて入社してきます。

やはり、この時期に、会社は新入社員に対してどんな行動を期待し、何が
できるようになって欲しいのかという方針を明確に伝える必要があります。

新入社員が、自分のやるべきことが明確にわかり、行動することで仲間や
お客さんのお役に立てていると実感できれば、仕事が楽しくなってくるでしょう。

そして、その方針を新入社員と先輩とが共有する中で、新入社員だけでなく
先輩社員も共に育っていく仕組みがメンター制度なのです。なぜなら、
人は、人に教えた時に、教えたことが自分の腑に落ちるものだからです。

そして、その新入社員が将来後輩を教えたときに、
先輩が教えてくれたことが腑に落ちていく・・・

この繰り返しが会社の組織風土づくりの肝なんだと思います。

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┃メンター制度のルール作りは就業規則で!
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新入社員の教育は先輩社員に任せているという企業でも、
メンター制度について、会社としてのきちっとしたルール作りが
出来ていない企業も多いのではないでしょうか。

しかし、ルールが無いと、結局、業務が忙しいので、メンターの業務にまで
手が回らないといった言い訳から、メンター制度自体がうやむやになってしまう
ことがあります。

そこで、やはり、きちんとした社員育成の方針のもとに、ルール化して、
従業員に周知して、人材育成の仕組みとして定着させていくのが
いいのではないかと思います。

ちなみに弊所がお勧めしている就業規則には、メンタリング制度の導入が
盛り込まれています。

就業規則は、単なる法律上の規制としてではなく、みんなで会社を良くしていく
ための心得だと考えているからです。
ということで、今回は、メンター制度の活用について、考えてみました。

新入社員の定着は、企業の規模を問わず、課題になっていることです。
また、メンター制度は新入社員育成だけでなく、先輩社員のマネジメント教育の
側面からも、重要な制度です。

もし、まだメンター制度を取り入れていない企業様は、ぜひメンター制度を
導入されることをお勧めします。

 

  労務管理事務所 フォージョウハーフ
  人事労務コンサルタント 小西 繁雄  Konishi Shigeo
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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフ
  【所長】小西繁雄
  【URL】http://www.4jh.jp/
  【電 話】06-6945-5550
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【知って得する雑学クイズ!】の答え

先日、アメリカの経済誌「フォーチュン」が世界企業500社番付を発表しました。
売上高によるランキングで、トップはロイヤル・ダッチ・シェル(オランダ:石油)
で、日本企業のトップはトヨタ自動車の世界第8位でした。
このうち利益トップの企業は、アメリカのエクソンモービル(石油)でした。
さて、利益ナンバー2の企業は次のうちどれでしょう?

(1)アップル(アメリカ:デジタル家電)
(2)トヨタ自動車(日本:自動車)
(3)サムスン電子(韓国:エレクトロニクス)

正解は、(1)のアップルです。
エクソンモービルは、売上高が4,499億ドルで世界第3位、
利益が449億ドルで世界第1位です。

それに対しアップルは、売上高が1,565億ドルで世界第19位、
利益が417億ドルで世界第2位です。
アップルは、超高収益企業となっています。

ちなみにトヨタ自動車は、売上高が2,657億ドルで世界第8位、
利益が116億ドル。
サムスンは、売上高が1,786億ドルで世界第14位、
利益が206億ドルとなっております。

アップルとサムスンは、ここ数年で急速に成長した企業で、
日本トップであるトヨタ自動車の利益を大幅に上回っています。

今後は、アベノミクスをきっかけとして日本企業が躍進し、
このランキングに多くの企業がランクインすることを期待したいです。