Vol.42【労働時間を考える】

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  川相いい仕事マガジン vol.42
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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【知って得する雑学クイズ!】の答えは一番下↓↓

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  「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
  社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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    労働時間を考える
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こんにちは社労士の日比野です。

私は、お仕事で就業規則を作成させていただきます。
それが全面改定や新規作成の場合には、何度も打ち合わせを重ねて、
条文を作成していきます。

その打ち合わせ中で、多くの時間を費やすのが、
労働時間と割増賃金の支払いに関するものです。

今回は、労働時間について少し考えてみたいと思います。

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┃仕事か仕事でないか?
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就業規則を考えていく際、
大前提として法律違反がないように考えながら規定を考えていきます。

労働時間に関する法違反のうち、
その最たるものがサービス残業です。

就業規則の作成前には、
実際の就業状況や働き方などの実態を確認します。

すると会社として仕事時間とは扱っていないが、
実は労働時間と考えられる時間が出てきます。

なかでもよく問題となるのが、
朝礼の時間、掃除の時間、5S活動の時間、歓送迎会、社員旅行等々です。

これらは法的にはどのような扱いになるのでしょうか?

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┃法的な取扱い
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これらの時間は、全て労働時間とも考えられますし、
そうではないとも言えます。

労働時間となるか否かの判断は、それが強制であるか否か?
自主的な参加であるか否かがポイントになります。

強制であれば、労働時間として考えられ、
賃金の支払い、または割増賃金の支払いが必要となります。

では、どのような状況が強制と考えられるのでしょうか。

就業規則や労働契約の中に規定されている時間であれば、
それは強制であると言えるでしょう。

また上司が直接に命令を出していない場合でも
欠席した場合には何らかのペナルティや査定に響くようであれば、
それは強制力が働いていると言えます。

そのような明確なものではなくとも実態として、
ほとんどの人が参加しており、休みにくい雰囲気であり、

実際には強制されているように感じると当該社員が申し出れば、
そこに強制性があると認識される事も多いのではないかと思います。

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┃対応
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結論から言えば、会社からすれば、労働と認識していない場合でも
その多くの時間は労働時間と考えるのが自然に思います。

しかし、本当の問題はその時間に賃金を発生させるかどうかです。

例えば5SやQC活動のようにその成果が担保されていないものに対して、
割増賃金が発生するのには、問題があります。

それであれば、あらかじめその時間は、
労働契約において、月給の中に含まれモノとして定義付けをしていく事が
必要だと思われます。

具体的には
「基本給の中には、QC活動に要する月5時間分の賃金を含むものとする」、
そういった規定をしておく必要があります。

一度、実際の御社の就業状態を見直してみてください。

そして、今、何となく曖昧なまま取り組んでいる時間は、
何の為の時間なのかを考えてみるのも良いかもしれません。

それを一旦整理した上で、法的な対応をすると、
スムーズに事が進むように思います。

 

   労務管理事務所 フォージョウハーフ
   人事労務コンサルタント 日比野 大輔  Hibino Daisuke
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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフ
  【代表者】日比野大輔
  【URL】http://www.4jh.jp/
  【電 話】06-6945-5550
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【知って得する雑学クイズ!】の答え

いつもは、ちょっとした話題に役立つ雑学クイズを
お届けしているのですが、今回は少し実務に役立つクイズです。
下のうち敬称の使い方で間違っているのはどれ?

(1)総務部長 川相太郎様
(2)川相太郎 総務部長様
(3)川相商事株式会社 総務部長様

間違いは、(2)の川相太郎 総務部長様です。
このように「名前+役職名+様」のように用いるのは
役職名は敬称であることから二重敬語であり、誤りです。

ただし、(3)のように役職名だけに用いる場合は、
接尾語ではなく名詞としての意味を持った言葉になるので、
「様」をつけてもOKです。

あと、このほかに良く使われる敬称として「殿」があります。

「殿」は、事務連絡や公的文書においては、
格の上下の区別なく用いられるのですが、
私的文書においては、格下相手に対しての敬称として
用いられることが一般的とされているので注意が必要です。

ですが最近では、公的文書である役所等から個人に送付される
郵便物等の敬称も「殿」から「様」へと変えられつつあるようです。

これは、受け取った人に格下だという誤解を与えないための
配慮のようです。