Vol.38【モチベーションが上がる給与の払い方】

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  川相いい仕事マガジン vol.38
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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【知って得する雑学クイズ!】の答えは一番下↓↓

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  「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
  社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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    モチベーションが上がる給与の払い方
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こんにちは、社労士の日比野です。
大阪の本町に大阪産業創造館というベンチャー支援施設があります。

私はここに専門家・アドバイザーとして登録されており、
ベンチャー企業の社長からの相談にのっています。

これから人を雇い入れようとする経営者からの相談で多いのが、
「モチベーションが上がる給与の払い方を教えてください」というものです。

これは実に難しい問題ですが、今回は給与とモチベーションについて
考えてみたいと思います。

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┃給与でモチベーションは上がらない
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先のような相談が入ると私がまず申し上げるのは、給与を上げると
社員さんは喜びますが、モチベーションは上がりませんよということです。

給与・報酬が高い人がモチベーションが高いのであれば、世の職業で
一番モチベーションが高いのは公務員になりますし、
プロ野球の優勝は毎年ジャイアンツ、もしくはタイガースで決まりです。

給与・報酬とモチベーションの高さとは関係ないと考えられます。
プロ野球でも元気はつらつで、ガッツに溢れたプレーをするのは、
まだ年俸の安い新人選手です。

高い給与をもらう為に頑張ることはあるかもしれませんが、
高い給与をもらった後は、モチベーションは維持されないのです。

しかし、そう考えると給与を上げたくなくなりますが、実は上げないと
モチベーション論から言えば、とても大きな問題が起こるのです。

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┃給与でモチベーションが下がる
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モチベーションの高低に関係してくる要因のうち、上げる要因となるモノを
動機づけ要因、下げる要因となるモノを衛生要因と呼びます。

賃金は、上記のうち、衛生要因と呼ばれるモノに分類されます。

衛生要因は、それがあったからといって、モチベーションは上げないが、
社員があって当然、もらえて当然と思っている状況で与えられないときに
モチベーションを下げる要因のことを言います。

社員が頑張った時に賃金を上げてもその後、それでモチベーションは
上がることはありませんが、社員が頑張ったと思っているときに、
上げなければモチベーションは低下してしまうのです。

給与を払う時に考えることは、実はモチベーションを上げるやり方ではなく、
下げないやり方を考えてゆかねばなりせん。

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┃給与の支払い方のポイント
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ある社員が自分が思っている以上の給与をもらったとします。
自分では30万円くらいが妥当だと思っている社員が、
40万円もらったとします。

最初は、もらいすぎだと思っていますが、すぐにその給与にも慣れてきて、
もらえるのが当然だと思ってしまうのです。お金というのは怖いものです。

大事なことは、今の給与が貰って当然という状態にしないことだと
考えています。

給与を上げる際にはなぜ、その給与額になっているのかを明確に
示す必要があります。

それが現在の個人の業績によるものか?会社の業績によるものか?
それとも仕事に対する責任か?保有している能力によるものか?

それを明確にして昇給していくことが大事だと考えます。

ベンチャー企業でよく見られる失敗は創業当初の好業績に応じて、
生え抜きの社員が給与が、とても高くなっていくことがあります。

20代半ばの社員が40万円も超えているとこれは少し高いと感じます。
しかし、いずれ業績は落ち着いてきます、その頃には、社員の数も増え、
優秀な社員も増えてきます。

その際、後から入社して優秀な社員が25万円なのに、
それよりも成績が良くない人が40万円くらいもらっていたとすると
問題となるわけです。

こうなるとこの社員の給与を下げるのは至難の技で貰って当然と
思っているので、下げた時のモチベーションの低下は甚だしく、
結局退職となることも多い訳です。

給与を上げるときは気をつけなければなりません。

給与を上げたいと思っても、貰って当然と思いやすい月給に
するのではなく、出来れば臨時的なイメージのある賞与を
上げてみてはどうでしょうか?

 

   労務管理事務所 フォージョウハーフ
   人事労務コンサルタント 日比野 大輔  Hibino Daisuke
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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフ
  【代表者】日比野大輔
  【URL】http://www.4jh.jp/
  【電 話】06-6945-5550
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【知って得する雑学クイズ!】の答え

消費税率引き上げ関連法案が、国会で可決されました。
消費税率を現行の5%から14年4月に8%、15年10月に10%に
引き上げると言う物です。

しかし、それでも諸外国に比べると日本の消費税は安いと言われています。
では、次のうち一番消費税が高い国はどれでしょう?

(1)イギリス
(2)ポルトガル
(3)オランダ

正解は、(2)のポルトガルで23%です。
イギリスは、20%。オランダは、19%。

こうやって見ると、確かに日本の消費税より
ずっと税率が高いことがわかりますね。

ですが、日本と違い全てのものに同じ税率をかけるのではなく、
食料品や特定の品目には、低い税率、もしくは無税としている点が異なります。

日本は、お金持ちが買う高級外車も、少ない年金で生活するお年寄りが買う
日々の食料品も同じ税率がかかります。

それと、消費税率が高い国は社会福祉が充実している事が多いですが、
日本は決して充実しているとは言えません。

そう考えると、日本の消費税率は決して低いとは言えないのではないでしょうか。
今回の改正に対し、低所得者への対策も考えられているようですが、
弱いものいじめの改正とならないよう強く願います。