Vol.24【震災に関連しての労務「休業の取り扱い」 その2】

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  川相いい仕事マガジン vol.24
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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【知って得する雑学クイズ!】の答えは一番下↓↓

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  「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
  社労士、日比野の現場紹介—☆★☆
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    震災に関連しての労務「休業の取り扱い」 その2
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このたびの東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた地域の皆さま、
ご家族の皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。

震災に関連して、よりスムーズな復興やその後支えとなれるよう、
人事労務の観点から、情報を共有したいと思います。

前回、震災に関連した休業等の取り扱いについて書きました。
そして、その最後に危機を発展の機会と変えた企業も多いと書きました。

今回は、危機的状況をチャンスに変えるためにという観点で、
話を進めたいと思います。

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┃助成金の活用
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先のサブプライム・トヨタショックの際、
多くの企業が中小企業緊急雇用安定助成金(雇用調整助成金)を利用しました。
この助成金は、売上が減少した企業が休業する際に、
社員に支払う休業手当を助成してくれるというものでした。

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/a01-2.html

この際、休業手当の5分の4がもらえたわけですが、
それに加え、その休業した日に研修を実施する企業には、
1人につき1日6000円が助成されました。

私が知る企業の多くは、休業にプラスし、研修を実施していました。
30名の企業であれば、休業手当分として20万円強、研修の助成として、
18万円が、1日でもらえた訳です。

この研修への助成額は研修にいくらの費用がかかったかは関係なく、
定額1人につき1日6000円ですから、研修に5万円しかかからなかった場合に、
13万円が浮いた訳です。

この助成金は、3年間で計300日までもらえますからかなり大きかった訳です。

しかし、この助成金を利用した企業のすべてが、
不況を発展の機会に変えたわけではありませんでした。

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┃不況が企業を発展させるメカニズム
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不況になれば、同業他社が次々とリストラ、倒産していきます。
そんな中、リストラせず、何とか持ちこたえた会社があるとします。

不況が去り、需要が戻ってきたとき、同業他社は、倒産し、
リストラしていますから、供給量が不足します。

そうすれば、倒産しなかった会社には、注文が集中します。
リストラした企業は、生産力が落ちていますから、多量の注文には応えられない。
そうした時には、リストラせず、耐えた会社には、より注文が集中する訳です。

こう考えると不況が、企業の発展に寄与しているように思える訳です。

そして、先の助成金を利用し、休業している間に、研修を実施し、生産性の向上を
図っている訳ですから、不況明けには過去最高益を記録したりする訳です。

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┃危機が訪れた際にすべきこと
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先の不況の際、結果的にV字経営の回復をした企業は具体的には何をしたのでしょうか?
 
1.まず危機を共有した。

  売り上げが落ちた際に、社長は社員を集め、しっかりと今の現状を説明しました。
   そして、この状態のままで、いつまでは会社が耐えられること、そして、いつからは、
   リストラなどを進めねばならないことを説明しました。

  そして、大事なのは『いつまでは、何があっても雇用を守りたい。雇用を守りたいから
   みんなで力を合わせよう』
   そう語りかけ、それを共有したことが大きかったと思います。

2.受注を増やす、または生産性向上につながる研修(施策)をした。

  会社を休業し、研修を実施すると言いますが、実はこれがなかなか難しいのです。
   売り上げが半分になれば、働く日数も半分になりそうですが、中々そうはならないのです。
   忙しい時は、急いで仕事をしますが、ヒマになるとゆっくりと仕事を進めてしまうのです。
   ここで、「危機の共有」がどれだけしているかがポイントとなってきます。

  少ない仕事を必死で短時間で進めるには、皆には「明日は研修を実施するから、
   今日の5時までに絶対に仕事を終わらせるぞ」と意識を共有することが
   大事なのではないかと思います。

  そして、研修では、どうすれば受注が増えるか?また生産性が上がるかという観点から、
   皆で研修を進めていきました。(5Sなど)
   最初は、会社に依存している社員は、この研修には嫌々出席するし、
   良く欠席する事もあったように思います。
  
   この時、普段はあまり見えないところが見えてきました。会社を自分の会社と
   考える人とそうでない人が見えてきました。この時、研修にやらされ感をもって
   臨んでいた人は、いつの間にか会社から居なくなりました。

  そういう社員が消えていったときには、会社には暗さが消え、
   一体感や熱が生まれてきていたように思いました。
   研修終了後には、社員が集って、飲みに行ったり、休みの日にキャンプに出掛けたり、
   野球やサッカーをしたりと、そんな風景が見られました。

  その時の皆さんの顔は、充実感が漂っていたと思います。給与は、激減していましたが、
   そこには幸せな風景が広がっていたように感じます。

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┃大事なのは。
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この時、共有したモノは、『今は危機であること』『皆で乗り越えたいと思っていること』
『危機の後には発展があること』
   
大事なのは、危機を乗り越えた先、『その先に発展がある』と皆で信じれる事
なのではないかと思います。

乗り越えようと思った時、今が一番、最悪な状況になります。
今日より悪い日が来ることはない。そう思えた瞬間が、V字の底になります。

V字回復した時に幸せが訪れるのではなく、
V字回復の坂を上っているときに、人は幸せを感じるのではないでしょうか?

 

   労務管理事務所 フォージョウハーフ
   人事労務コンサルタント 日比野 大輔  Hibino Daisuke
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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフ
  【代表者】日比野大輔
  【URL】http://www.4jh.jp/
  【電 話】06-6945-5550
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   川相マガジン   e4510情報 (いい仕事情報)
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≪創喜感働塾、第二期生卒塾≫

当社が運営するビジネススクール「創喜感働塾(そうきかんどうじゅく)」の
第二期生が3月31日に卒塾しました。

第二期生は、一期生の時にはなかった新たな研修も加わり、
これまで以上に充実した育成プログラムとなりました。

そして、3月31日、無事卒塾を迎えました。
二期生も一期生に負けない程、大きく成長した姿を見せてくれました。

この姿を見ることで、私たちの育成プログラムに大きな意義があると、
感じる事が出来ました。

  ⇒卒塾式の詳しい様子はコチラ

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川相マガジンは、川相商事が考える人財育成をテーマに配信していきます。
どうぞ、宜しくお願いいたします。

 

【知って得する雑学クイズ!】の答え

今、大きな問題となっている原発ですが、下のうち最も
原発に依存している電力会社はどれでしょう?

(1)東京電力
(2)中部電力
(3)関西電力

正解は、(3)の関西電力です。

なんと原発依存率が一番高いのは、私たちの利用している、
関西電力です。ちなみにこれは電力9社中、最も高い率です。

その依存率は、53.6%。
東京電力は32.1%、中部電力は12.3%です。
(いずれも2009年実績)

その他の電力会社では、四国電力、九州電力が50%を
超えており、日本全体での原発依存率が23%と言う事から
考えても、西日本にある電力会社の依存率が高い事が
目立ちます。

なので、もし今回のような大震災で西日本の原発が被害を受ければ、
今の関東地方以上に、電力不足となる可能性があります。

また、長期的に見ても今の世論を考えると原発依存率は、
下げて行く必要があり、西日本では東日本以上に、
今後のエネルギー問題を深刻に考える必要があると言えます。