Vol.15【派遣法改正後の対応】【変化する労使紛争(個人VS企業)】

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  川相いい仕事マガジン vol.15
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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【知って得する雑学クイズ!】の答えは一番下↓↓

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  「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
  労務対策シリーズ—☆★☆
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    平成以降の労務管理
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こんにちは社労士の日比野です。

このメルマガで近年労使のトラブルが増加していると紹介してきました。
多くのトラブル(紛争)は、裁判等の公の場での決着ではなく、
当事者間で内々のうちに何らかの解決をみます。

ですから、その実数を把握し難いですが、全国の労働局へ持ち込まれる相談件数が、
ここ2年程、年間100万件で前後しています。

10年前から考える数倍ではきかないくらいの増え方です。
今回は、この増加の原因とその解決の方向について考えたいと思います。

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┃日本型経営の崩壊とともに
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約20年前、大学の経営学の最初の授業で、
教授が日本型経営の特徴についてホワイトボードに大書きしていました。

・終身雇用
・年功序列
・企業内労働組合

第2次世界大戦後から今から20年前までは、確かに存在した日本型経営でした。
この特徴は、平成に入り、年功序列型賃金の崩壊が、成果給の流行と共に始まります。

そして、バブル崩壊の痛手からの企業再生の過程で、終身雇用は崩れ、
労働組合の組織率も低下します。

この崩壊のラインと反比例して労使紛争の件数は伸びてきます。

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┃労使紛争の変質
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平成以前も労使の紛争はありました。しかし、この紛争の当事者は、企業内労働組合と
企業との紛争でした。平成以降増えてきたのは、個別労使紛争と呼ばれる、
従業員個人(元従業員)と企業間での紛争です。

ここに集団と個人という対立構造の違いというだけでなく、
もっと根源的な違いがあると思います。

従前の組合との紛争は、紛争の当事者は、現在働いている社員であり、
これからもその企業で働いていく社員です。

もっといえば、係長以下の社員と課長以上との争いだと言えます。

しかし、近年増加している争いは、
退職した元社員または退職を前提とした社員個人との争いなのです。

昔は内部対内部、今は、内部対外部の争いへと変わってきているのです。

集団的紛争と個別紛争では単純な比較できませんが、
社員一人当たりが獲得する補償の額は比べるまでもなく高額しています。

これは、従前の労使紛争は、内部の労働条件を巡っての内輪もめだったのが、
現在の紛争は、他人同士のもめ事へと変質してきているのかもしれません。

内輪もめの場合、紛争の当事者である組合員にとって相手方である会社は、
自らが属する組織で会社が成長していけば、自らにも利益があるわけですから、
会社の未来がなくなるような紛争にはなりません。

極端な場合を除いては、より良い未来を獲得する為の紛争なのです。

かつての紛争は実は、未来の利益を共有しているモノ同士の紛争であったと言えます。
現在の紛争の増加は、根源はここに原因があるのではないかと思います。

未来の利益を共有しなくなった事が一番の大きな問題なのでないでしょうか?

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┃未来への解決策
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最近、退職金制度のある会社が減ってきました。退職金制度がある会社で実際に働いて
いる社員でも、もらえる金額はおろか、退職金制度がある事自体も知らない事があります。

そんな現状から考えると、生産性への直接的な効果も算定しにくく、
企業の財務を硬直させることからもこの制度が減ってきたのも分かります。

しかし、現状の労使関係は決して幸せな状況だとはいえません。
この状態を回復するには、今一度、労使が未来を共有する事が
必要なのではないでしょうか?

私はその共有する未来は、会社の未来でなくとも良いのではと思っています。
社員個人の未来であってもそれが将来へ向かっていれば、
今の現状は変わるのではないかと思うのです。

 

   労務管理事務所 フォージョウハーフ
   人事労務コンサルタント 日比野 大輔  Hibino Daisuke
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 「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフ
  【代表者】日比野大輔
  【URL】http://www.4jh.jp/
  【電 話】06-6945-5550
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   川相マガジン   e4510情報 (いい仕事情報)
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≪派遣法改正後の対応について≫

2010年3月に閣議決定された、労働者派遣法改正案。
各党の意見がまとまらず、継続審議となっておりますが、
基本的な部分は変更なく施行されると予想されています。

この法案が議決され、施行されれば特定の条件を除き、
多くの現場で派遣労働者を利用する事が出来なくなります。

これまで派遣を利用して来た企業では大きな混乱が起きる
可能性があります。特に中小企業にとっては深刻な問題です。

この問題について、当社HPに対策方法を載せております。
是非一度ご覧下さい。

  ⇒コチラから

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川相マガジンは、川相商事が考える人財育成をテーマに配信していきます。
どうぞ、宜しくお願いいたします。

 

【知って得する雑学クイズ!】の答え

7月に上海万博の入場者数が3000万人を突破しました。
これは史上最大だった大阪万博を超えるペースだそうです。
さすが伸び行く中国はすごいですね。

さて、もう記憶にないかも知れませんが、2005年に開催された
愛知万博の総入場者数は何人だったでしょうか?

(1)約2200万人
(2)約1500万人
(3)約5000万人

答えは、(1)の約2200万人です。

この数字、大阪万博や上海万博と比べると少し見劣りする
数字ですが、それでも、1985年のつくば万博の約2000万人を
抜く立派な数字です。

ちなみに日本で開催された万博では、もちろん史上最大の
大阪万博が約6400万人で歴代1位、1990年の大阪花博が
歴代2位の約2300万人。愛知万博はそれに続く歴代3位の
記録となっています。

上海万博は開幕当初は入場者が伸び悩みましたが、
このところ急激に入場者数が増加し、予想の7000万人を超え、
総入場者数は1億人を突破するのでは?と言われています。

大阪万博の記録が破られるのは少し寂しい気がしますが、
それでも総人口から考えると、やっぱり大阪万博の
盛り上がりは半端じゃなかった事がわかりますね。

中年以上の人にとっては懐かしい、日本が輝いていた
時代の思い出ですね。