Vol.13【60年代の日本人は意欲的!現代人はうつ病が社会問題に…】

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  川相いい仕事マガジン vol.13
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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【知って得する雑学クイズ!】の答えは一番下↓↓

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  「愛はあるが甘えのない人事が、ヒトと組織を育てる」
  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
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    「もしドラ?」
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こんにちは社労士の日比野です。

最近、オタク系若者の間で、「もしドラ」という言葉が流行っているそうです。

これは何を指しているかといえば、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの
『マネジメント』を読んだら」という美少女小説調のビジネス本を指しています。

これが良く売れているそうです。もう読まれた方も多いかもしれません。

さて、この今や国民的経済学者となりつつあるピーター・ドラッカーがこんな言葉を
残しています、

「21世紀に残る組織は、NPOか、もしくは日本型の組織だ」と。

このドラッカーがこう評した日本企業とは、一体、どんなものなのでしょうか?

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┃1960年代、世界に紹介された日本企業
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ドラッカーが初来日するのは、1959年のことです。

このとき、ドラッカーは、トヨタをはじめとした製造メーカーの現場をみて、
そこで働く社員のモチベーションの高さ、意識の高さに驚きます。

同時に、その世界的にもあまりに「特異な」労務管理体制に驚きます。
この労務管理体制は、その後、「日本型経営」として、世界に紹介されます。

その特徴とは、「終身雇用」「年功序列」「企業内労働組合」でした。

日本の製造現場の熱気を見た欧米の経済学者は、こう思いました、

「さぞ、給与が高いのだろう?」「彼は自らの技術を高め立身出世を考えるから
一生懸命なのだろう」

「いずれ、自らの腕をより高く買ってもらうために技術を磨いているのだろう」と。

しかし、実際はそうではなく、当時の日本人は、転職も予定せず、今の会社で一生勤め
上げようと思っていましたし、出世も年齢が行けばそれなりの出世はしたいと思っても、
世話になった先輩を追い越そうとはあまり思っていなかったわけです。

この状況をみて、欧米の経済学者たちは、「WHY?」と何度も首をかしげたのです。

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┃日本人の意欲の源
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では、当時の日本人はどうして仕事に対してそんな意欲的だったのでしょうか?

欧米の経済学者には奇異に感じられるかもしれませんが、
私たちに日本人は自然なことと思えます。

なぜなら、私たちが意欲的に働いているとき、賃金の高さや転職を考えて、一生懸命に
なっているわけではありません。
ただ、目の前の仕事に知らず知らずのうちに集中しているだけだったりします。

これは私の私見ではありますが、先の日本型経営の特徴、「終身雇用」「年功序列」「企業
内労働組合」があったから、日本人は、仕事だけに集中できたのではないかと思うのです。

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┃日本型経営の崩壊とモチベーションの低下
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近年、脳科学の発展は、モチベーションのメカニズムを明らかにします。
モチベーションには、脳内物質であるドーパミンの分泌が関係しているそうです。

そして、もうひとつ、うつ病等のメンタルヘルス不全の際、
脳内では、このドーパミンが機能不全になっていることもわかってきました。

近年、社会人のうつ病が職場の大きな問題になっています。
うつ病とは、ドーパミンが分泌されていないということですから、社会的にモチベーションの
低下が問題となっていると言えます。

先の日本型経営の特徴である3つの労務管理体制が、崩れだしたのが平成3年で、
平成10年代に入りその崩壊の速度は加速度的に進みました。
ITバブルとともに、もはや崩れ去った感があります。

そして、その日本型経営の特徴の崩壊とともに社会問題となっている
メンタルヘルス不全が起こってきました。

逆説的ではありますが、ドラッカーが言った日本型の組織が、
モチベーションを高止まりさせるという論を証明したと言えるのかもしれません。

私たちの抱える今の経済問題・経営の課題の答えは、実は、ドラッカーの分厚い本の中で
はなく、同じ分厚い本でも、地下の資料室におかれた社史の中にあるのかもしれません。

 

   労務管理事務所 フォージョウハーフ
   人事労務コンサルタント 日比野 大輔  Hibino Daisuke
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◆当社は非正規社員として働く方に、ステップアップを目指してほしいと強く感じ、
  ステップアップを目指す人の夢実現にむけ、全力でサポートするために、
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【知って得する雑学クイズ!】の答え

先日、アップルコンピューターの株価の時価総額が、マイクロソフトを抜いて、
IT企業で世界一になったと言うニュースがありました。
やはり快進撃を続けるIT企業は、成長著しいんだなと感じました。

さて、名だたるIT企業の創業者たちは、当然、大きな資産を築いていると
思われますが、下の3名で最も資産が少ないのは誰でしょう?

(1)マイケル・デル(DELLの創設者)
(2)スティーブ・ジョブス(アップルの共同設立者)
(3)ビル・ゲイツ(マイクロソフトの共同創業者)

答えは、(2)のスティーブ・ジョブスです。

それぞれの資産は、

(1)マイケル・デル    約1.8兆円
(2)スティーブ・ジョブス  約6000億円
(3)ビル・ゲイツ   約5兆円

と、言われています。

株価の時価総額、世界一の企業の創業者が、
最も資産が少ないのは、意外ですね。

しかし、スティーブ・ジョブスがアップルのCEOになるまでには、
紆余曲折がありました。

詳細は割愛しますが、アップルを設立後、本人の立ち居振舞いの
ために社内を混乱させたとされ、アップルの役員達からアップルを
追い出されます。

その後、業績不振に陥ったアップルは、1996年にスティーブ・ジョブスを
再度、向かえ入れ、1997年に暫定CEO、2000年に正式にCEOに就任します。
この間の給与は、年1ドルだったのは有名な話です。

そういう事も資産が少ない要因かもしれませんね。

アップルのCEOに就任してからの、スティーブ・ジョブスの快進撃は、
皆さんのご存知の通りです。

10年前は、マイクロソフトよりはるかに小さな会社だった
アップルをここまで成長させた彼の功績は大きいですね。
まさに、カリスマ経営者だと言えます。