Vol.10【間違うと法違反?!有給休暇取得時の給与計算】

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  川相いい仕事マガジン vol.10
   発 行:川相商事株式会社
   Kawai Syouji Group
   『働くよろこびを見つけるヒト』創造企業 http://www.e4510.jp/
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【知って得する雑学クイズ!】の答えは一番下↓↓

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  労務管理事務所フォージョウハーフの日比野大輔がおくる
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    労使の思惑がぶつかる!?年次有給休暇
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H22年4月1日に施行される時間外労働と割増賃金率に関する労働基準法改正が
何かと話題になっています。その陰に隠れていますが、同時に年次有給休暇の
時間付与に関する法改正が行われます。

この改正は、年間5日以内の年次有給休暇に限り、労使協定で定めれば、
時間単位で付与することができるというものです。

こちらは強制ではないですから、急ぎ対応が必要なわけではありません。

しかし、年次有給休暇という労働条件は、労使トラブルの発端となることが非常に多い。
労使共に非常に気になる労働条件なんです。

今回は、この年次有給休暇の正しい法知識について考えてみたいと思います。

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┃年次有給休暇の付与日数
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そもそも年次有給休暇は、入社してから6ヶ月継続勤務した日の翌日
(この日を基準日という)に、8割以上出勤した社員に対して、
10日の年次有給休暇が発生します。

それから基準日から1年ごとに、その1年のうち8割以上出勤した社員に対して、
勤続年数に応じ日数がプラスされた休暇が付与されていきます。

ちなみに基準日から6年以上勤めた社員には、20日の年次有給休暇が付与されます。

入社以来、欠勤が多く、全く8割以上出勤したことがない社員がいたとします。
それが、入社7年経ったところで、初めて8割以上勤務した場合には、
いきなり、20日の年次有給休暇を取得することになります。

また、労基法の時効は2年のため、全く年次有給休暇を取らず、翌年に繰り越した
場合には、最大40日の年次有給休暇の権利を持っていることとなります。

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┃パートさんの年次有給休暇
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「パートタイマーに年次有給休暇はあるの?」、こういう質問をよく受けます。
答えは、勿論、あります。

労働基準法には、正社員とパートという区別はなく、週に5日働いている
パートさんであれば、正社員と全く同じ年次有給休暇が付与されます。

ただし、日数や勤務日数が少ない人には、その少ない分だけを減じた年次有給休暇が
付与されます。(これを比例付与と言います)

ちなみにこの比例付与の対象となる人は、(1)勤務日数が週4日以下又は
年間216日以下、かつ(2)週所定労働時間が30時間未満の人が対象となります。

次に付与される年次有給休暇の日数は以下の計算式になります。

正社員の付与日数×パートの週勤務日数÷5.2

(答えの端数は切り捨てます)

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┃年次有給休暇取得日の賃金は?
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年次有給休暇を取った日は、勤務したものとして給料が払われる訳ですが、
この日の給料とはどうやって計算するのでしょうか?

この計算に法違反がよく見受けられます。

労働基準法では以下の3パターンの方法が認められています。

(1)平均賃金(前3ヶ月の総賃金を総日数で割る)
(2)通常支払われる賃金(残業単価とほぼ同様)

これらのうちどちらにするかを就業規則により定めることとなっています。

さらに労使協定で定めることによって、(3)健康保険法の標準報酬日額とすることも
可能です。

さて、(1)の計算方法であれば、前3ヶ月間の残業代も勘案して、賃金額を定めます
ので、高額となります。ですので、(2)とすることが多いのかと思います。

しかし、(2)の方法とした場合には、月に固定で支払われる生活給的な要素以外の
給与は、全て計算にいれないといけません。

ですから、基本給だけを単純に月の勤務日数で割って、役職手当や職務手当等を
除外して支払うことは法違反となります。

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┃年次有給休暇の取得日数の平均
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年次有給休暇や休暇は、採用の際も求職者も非常に気になる労働条件のようで、
他の企業よりも多めに休暇などを設定した場合には、求職の応募も増えると言います。

若手の社員には、特に気になる条件のようです。

しかし、実際にどれくらいの日数を取得しているのかと言えば、
厚労省の統計では、例年8日前後です。

中小企業に至っては、5日も無いかもしれません。

この年次有給休暇、取る人は取るし、取らない人は取らない。

別の見方をすれば、管理職からは、
「取らせてあげたい社員が休まず、しっかり働けと言いたい社員がどんどん取得する」
そのような状況がままあるようです。そこに管理職のジレンマがあるようです。

次回は、そのジレンマの解消を助ける法知識やアイディアをご紹介したいと思います。

 

   労務管理事務所 フォージョウハーフ
   人事労務コンサルタント 日比野 大輔  Hibino Daisuke
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【知って得する雑学クイズ!】の答え

今話題の、オバマ大統領や鳩山首相も利用している事で有名な、
ネット上で”つぶやき”を公開するツールはどれでしょう?

(1)ツイッター
(2)ブログ
(3)メッセンジャー

答えは、(1)のツイッターです。
Twitter(ツイッター)はブログとチャットの中間のようなシステムで、
各ユーザーは自分専用のサイト(ホーム)を持ち、
「What’s Happening?(いまどうしてる?)」の質問に対して
140文字以内でつぶやきを投稿するコミュニケーションツールです。

ホームには自分のつぶやき以外に、
フォローしたユーザーのつぶやきもほぼリアルタイムに表示され、
それを見て、何らかの反応をすることで、
「ゆるい」コミュニケーションが生まれるそうです。

それにしても、インターネットの世界は次から次へと新しい物が出てくるので、
ついて行くのが大変ですね。

ですが、実は、ツイッターが流行する数年前から日本の中高生の間では、
「リアル」と言うツイッターに似た、ツールが流行しています。
なので若い世代の人からすれば、今さら何?って感じなのかもしれません。

話は少しそれますが、トヨタのリコール問題が今話題になっています。
これについて、ネット上のブログや上記のツイッターなどでも、
書き込みがされる事が多くなって来ました。

これはあくまで、憶測の域を超えませんが、トヨタがネット上での
悪意ある書き込みに対して、それをフォローするような書き込みをする
チームを編成したと言う情報もあります。

これからの時代は、インターネットでの情報は無視できない
重要な物となって行くようですね。