人材育成編 Vol.11【手間とカネのかかる「障がい者雇用」は本当にワリに合わないのか】

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  平成26年5月13日 

 川相いい仕事マガジン 人材育成編Vol.11
    発行:川相商事株式会社 『働く喜びを感じるヒト』創造企業
                        担当:宮脇 和孝

 ◆テーマ : 手間とカネのかかる「障がい者雇用」は
          本当にワリに合わないのか
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弊社メルマガをご愛読の皆様、こんにちは。
「人材育成編」4度目の登場となります“下ネタ王”宮脇和孝と申します。

普段は正社員育成のための社内スクール
「創喜感働塾(そうきかんどうじゅく)」で研修の講師を務めるほか、
各種助成金の申請業務を行っております。

今回のメルマガでは下ネタを封印し(笑)
弊社で進めている障がい者雇用についてエピソードをご紹介したいと思います。

弊社の請負事業場では昨年4月に2名、
今年の4月には新たにもう2名の障がい者を採用しました。

4名のうち3名が「知的障がい者」、1名が「精神障がい者(発達障がい)」です。
本年度も採用から1ヶ月。先輩共々元気に働く姿に目を細めております。

先日、障がい者雇用を支援しておられる方からの情報で
「大企業は障がい者雇用は進んでいるが、中小企業はなかなか進んでいない」。

“余力のある”大企業は「特例子会社」という方法もあるが、
“余力の少ない”中小企業の多くは、かかる手間やコストを考えると前進しない。

経験とノウハウがどんどん蓄積されている大企業と、罰則金を覚悟して
前進しない多くの中小企業との間で二極化が進んでいる、ということでした。

では、中小企業である弊社が障がい者雇用を進める理由は・・・?
『社会的意義があり、デメリットは少なく、メリットが大きいからです。』

一つは、思うほどコストの負担が大きくないことです。
「障害者雇用納付金」が除外になるばかりか、
各種助成金や報奨金を受給することができます。

先日弊社でも、昨年採用した2名の「特定求職者雇用開発助成金」第1期分、
計105万円を受給しました。

もう一つは、「特性(そのものだけが持つ性質。特有のすぐれた性質。)」を
理解して作業配置すれば十分戦力になるということです。

弊社の事例で言うと、製造現場で電子部品にテープを貼る作業をしてもらっていますが、
出来栄え、スピードともに彼らの右に出る人はいません。

なぜなら、彼らには「高い集中力を維持して黙々と作業し続けることができる」という
「特性」があり、誰もマネができないからです。

しかしながら、その域に達するまで手間がかかったことも事実です。
採用前に手間がかかります。
特に人選については慎重に行う必要があります。

すべての障がい者が彼らのように集中力が高いわけではなく、これまでの
就労歴や適性、普段の様子をヒアリングし、十分な情報を得て判断しました。

採用後も手間がかかります。
習熟するまでの期間も健常者の方よりかかる場合がほとんどです。

その間粘り強く作業指導するわけですが、
各地方自治体には障がい者雇用を支援する団体があり多くのご指導を頂きました。
コツが有りますが、コツが解れば 100人力です。

障がい者の特性に合った作業に配置すると言っても特性は正に「十人十色」です。

先に挙げた彼らを部品供給業務に配置転換しようとしたことがありました。
何週間もかけて作業指導しましたがまったくうまくいきませんでした。

状況の先読みなど「判断すること」が彼らには難しかったためです。
しかし、同じ障がいを持ちながら、周囲の音や動きが気になって
集中力が続かない方を配置すると1週間もかからずに習得してしまいました。

「周囲にアンテナを立て、目配り気配りをしながら作業する」という
特性と作業がマッチングした例です。

確かに手間はかかります。
しかし、障がい者雇用には手間をかけるだけの価値が十分あると考えます。
メリットを享受しながら「共生社会」実現という意義ある取り組みに参画できます。

もし、「障がい者を雇用したいけど・・・」とお悩みでしたら、
お気軽に宮脇までご相談ください。

障がい者雇用は必ずできますし手がけて欲しいです。
微力ではありますがぜひそのお手伝いをさせてください。