人材育成編 Vol.10【2年半越しの卒塾を果たしたKさん】

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  平成26年 4月15日 

 川相いい仕事マガジン 人材育成編Vol.10
    発行:川相商事株式会社 『働く喜びを感じるヒト』創造企業
                        担当:高杉 嘉晴

 ◆テーマ : 2年半越しの卒塾を果たしたKさん
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当社のメルマガをご覧頂き、ありがとうございます。川相商事株式会社
人材育成部の高杉嘉晴と申します。

私は当社の社内スクール「創喜感働塾」におきまして、生産現場監督者・
リーダーに必要とされるテクニカルスキルの研修を担当しています。

このテクニカルスキル研修では、講義で習った内容の実践として、
各自の職場にて効率・品質・安全のいずれかについて改善を行い、

その成果を卒塾式の場で発表させています。今回はつい先日行われた
卒塾式での、Kさんの改善成果発表をご紹介します。

今回発表したKさんは、とある部品製造工程のリーダーです。
実はこのKさん、今期の塾生ではなく、2年半前に塾生として研修を受けて
いたのですが、半年の塾期間内に卒塾要件を満たすことができず、

当社の正社員にはなれないままでいました。職場が忙しくなり、尚且つ
普段は夜勤専門で勤務していたために再トライの時間が作りづらく、
正社員化を半ば諦めていたのです。

しかし、真摯な態度で生産台数確保,品質維持向上に励む彼の背中を、
周囲の社員たちが後押ししました。『あなたのように前向きに働き、

能力の高い人は正社員でなければいけない』と、不足していた
卒塾資格の取得を促しました。

周囲に応援されたKさんが見事資格試験に合格したのを受けて、
彼が塾生だった頃にはカリキュラムに含まれていなかったテクニカル
スキル研修を追加受講し、ここにその成果発表をすることになりました。

Kさんの発表は以下のような内容でした。

テーマ: 『 新規検査設備の導入時不具合対策 』

1. テーマの選定理由
半年前に新規導入された自動検査設備の立上げが芳しくなかった。
工程能力が低く、従来規格であれば十分に良品である製品に
合格判定がなされず、工程内には、仕掛品があふれてしまっていた。

2.現状把握
日々の不具合状況をグラフにして、以下のことがわかった。
(1)不具合はほぼ毎日において発生していた。
(2)自動検査機は2台あるが、そのどちらについても同じ程度発生していた。

3.目標設定
新規自動検査機での合格率を当該検査機導入以前と同レベルに戻す。
(3ヵ月以内に成し遂げる)

4.要因分析
設備要因,人的要因,製品要因,方法要因で検討・検証をした結果、
とある装置の条件が検査機に影響を及ぼしていることを突き止めた。

5.対策の立案と実行
当該装置の操業条件を調整して、自動検査機判定結果に影響が
でないようにした。

6.効果の確認
グラフで確認。新規自動検査機導入前と同レベルに安定させることが
でき、目標が達成できた。

7.歯止め
今回効果のあった操業条件を標準化する。

最後に列席者に対し、これからも改善を続けて職場をどんどん良くしていくと
宣言して発表を終えました。

尚、実際の発表では、誤差数や率,目標数や改善率などが数値やグラフで
わかり易く報告されていたのですが、お客様の装置ですので不具合の
具体的内容や数値は割愛させていただきました。ご了承ください。

QCストーリーに沿って実行と発表がされました。参列者からは、レベルが
高く、且つわかり易い発表で、自分も触発されたという感想が聞かれました。
こうして卒塾要件をクリアしたKさんには、近日中に卒塾証書が渡されます。

彼を後押しした同僚始め、列席者からたくさんの拍手をもらってうれしそうな
Kさんを間近で見て、私はこれからも、QC手法やTPMなどのテクニカル
スキルをわかり易く伝えることで、このKさんのように心底から改善に励む
人を一人でも多く輩出したいと思いました。

働く喜びを感じている社員の増加で、当社の現場力は着実に強くなっています。

塾の様子や卒塾生の活躍は、

創喜感働塾のサイト⇒http://e4510.jp/school/katuyaku_st.htm
創喜感働塾のブログ⇒http://blog.livedoor.jp/soukikandoujuku/

で、詳しく紹介しておりますので、ぜひ一度ご覧になって下さい。